「NPO」とは、英語の「Non Profit Organization」の頭文字を取った言葉です。日本語では「民間非営利組織」となります。営利を目的とせず、利益を分配しない組織ということです。
日本でいう「NPO:という言葉は、人によってとらえ方が異なります。主に次の4つのカテゴリーがあります。
【解説】
日本において、「ボランティア」という言葉を使われ始めたのは1960年代です。一方、「NPO」に脚光があたり出したのはご存知のとおり、阪神・淡路大震災がきっかけとなりました。活動開始当初から組織体制を整備し活動を進めていくNPOも多いですが、ボランティアグループが、基盤強化を図り、NPO法人となる例も増えており、NPOの成り立ちにはさまざまな形態が存在します。今後はそのような意味で「ボランティア」と「NPO」の違いを明確に区切ることは難しく、現実的な活動においても時代とともに渾然としていくといえます。
ボランティアは個人活動が中心というイメージが一般的ですが、最近ではグループで活動する人の方がはるかに多くなっています。また、対象者との関係をスムーズにするために、あるいは、活動の継続性や団体の基盤を強化するために、ボランティア活動を発展させる形で、有償活動にも取り組むグループが多くなってきました。
NPOはもとより組織のスタンスを示すことばですが、最狭義にはNPO法人を指す場合と、広義には、財団法人や社団法人、社会福祉法人など公益法人、地縁団体や任意のボランティア団体も含んで捉える場合があります。行政や企業とは異なった、民間非営利の立場から、組織形態や規模の大きさ、活動内容の違いなど、それぞれの団体の状況に応じて、社会的課題の解決と、自ら掲げたミッションの実現に向けて活動展開を行うものです。
それぞれ目的別の活動が中心となることから、メンバーや活動エリアは広域に渡ることが多いですが、最近は、小さな地域を基盤としてNPO法人として活動する例もでてきており、これまでのボランティア活動を土台に展開されるようにもなってきています。
NPO法人については、所轄庁の認証手続きが必要です。規則に従った書類の整備、届け出や報告の義務、法人としての税務が生じます。また10人以上の社員(正会員)を必要とし、役員体制なども明確に定款に位置づける必要があります。そうした法的義務を果たし、活動実績をあげ、説明責任を果たすことなどによって、法人としての社会的信用が得やすくなるなどのメリットがあります。
法人格を持たない任意団体の場合は、特別な手続きは必要ありませんし、届け出や報告の義務は生じません。人員構成も制約はありません。しかし、団体として契約主体になれないなど、特定の個人の負担となります。今後は任意団体にしろ、NPO法人にしろ、社会的使命の達成を目的に掲げている以上、市民の理解と信頼を得ていくために組織の透明性や説明責任を果たすといった社会的責任がより求められるようになるであろうと考えられます。多くの市民に支えられるためにも、各地の市民活動支援センターの利用登録制度やパートナーシップ制度の利用などを通じて、支援を受けやすくしたり、より幅広い市民に対して自らの取り組みを広く認知してもらうといった取組みも有効だといえます。
(参考)NPO法人の認証については、公益法人のように行政の「許可」「認可」で法人設立が認められるものとは違い、法律に定められた要件が整っていれば、一定の手続きを踏めば受けることが出来ます。つまり、行政の裁量が比較的小さく、活動内容に対する評価がなされるものではありませんから、行政からお墨付きを得るということではありません。
(1)特定非営利活動の定義
NPO法は、第1条に「特定非営利活動(※法で規定されている20分野。下記表参照)を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする」とうたっていて、民法の特別法として位置づけられています。
●NPO法の活動分野
(2)NPO(特定非営利活動)法人の設立要件